野村、11月に入り急激に顧客アクティビティ低下

ブルームバーグ): 野村ホールディングスの永井浩二最高経営責任者(CEO)は、今期第3四半期(2018年10ー12月)の動向について「11月に入り個人・機関投資家とも急激に顧客アクティビティが低下している」と述べ、足元は厳しい状態との認識を示した。4日に行われた投資家フォーラムで語った。

永井CEOは、先進諸国の景気は持ちこたえているものの、米国利上げなどの影響で「市場の不確実性が高まっている」と述べ、新興国通貨や債券市場の急変には警戒が必要との認識を示した。

同CEOは「あらゆるリソースを聖域を設けることなく見直し、硬直的なコスト構造にメスを入れる」と強調。特にリテール部門では「今後3年で10%程度コストを削減する」と述べ、人口動態などを踏まえ経営資源を再配置するとともに、都市部ではエリアが重複する店舗を見直す方針を示した。野村は12年3月時点で178あった国内店舗を今年3月時点で158店へと12%削減している。

また、グローバルでみて金融派生商品デリバティブ)取引が盛んだった欧州に偏っている資本を日本を含む他地域に振り分けることで、米国など成長地域での投資をしやすくする。現在ロンドンの中間持ち株会社に約5500億円ある資本を今後3300億円程度に減らすほか、欧州、米国、日本、アジアのすべての地域で税前の自己資本利益率(ROE)5%を目指すとした。

そのほか、LINEと合弁で設立したLINE証券について「来年の営業開始に向け鋭意準備中」と言及した。