雇用が奪われる一方、新たな創出も

機械学習(それがロボットによる作業の自動化であれ、高度なデータ分析であれ、AIであれ)は今後、間違いなく職場のありようを変えていく。それによりいくつの職が失われ、いくつの新たな職が生み出されるかについてはさまざまな推測がなされている。
世界経済フォーラムの報告書「未来の仕事2018年版」によれば、2025年までに総労働時間の5割以上に相当する仕事を機械がこなすようになるという。
自動化を背景に2022年までにフルタイム従業員の一部が削減されると予測する企業は全体の50%近くに上り、従業員が生産性向上の新たな役割を担えるように教育しようと考えていた企業は38%だった。
また、コンサルティング会社PwCの最近の研究では、英国では今後20年間に700万の既存の雇用が機械に奪われる一方で、新たに720万の雇用が創出されるという。
人間と機械が生産的に共存する必要のある職場への移行は、ビジネスを生み出すことも壊すこともあるだろう。
経営者は将来に向けた計画を立てる際、機械学習が生産性やスキル、従業員の士気や社風まであらゆる面におよぼすインパクトを考慮しなければならなくなるだろう。また、人間と同じくらいの数の知的なマシンが稼働しているかもしれない会社を、どのように率いていくべきか学ばなければならない。
「AIは(今)われわれ人間がやっている既存の作業をよりよく、より効率的に、より安くやってくれるだけではない。以前なら考えもしなかったようなことをする助けになる可能性も秘めている」と、コンサルタント会社エンビジョナーズのデイブ・コプリン最高経営責任者(CEO)は言う。
「だが、人間の側が何とか使いこなすすべを理解しなければ、AIがもたらす可能性を実際より低く捉えてしまう恐れもある」